2023年9月21日、マックスマーラはミラノファッションウィークにて2024年春夏コレクションを発表しました。
女性のアーミー
聖書の中に「剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする」という言葉があります。まさにそれを実行したのが、ウィメンズ・ランド・アーミー(Women’s Land Army)でした。1940年代、イギリスの女性たちは、田園地帯から都市に至るまで、社会階級に関係なく、肩を寄せ合って農作業に携わり、国を支えたのです。
ランド・アーミーは、信念を持って部隊を育成しました。その中で多くの女性たちは、学ぶということを初めて体験しました。その学びは、単なる仕事の訓練ではありません。彼女たちは、クリエイティブな仕事も求められたのです。「The Land Girl」誌は彼女たちの文学作品を掲載し、1944年にはヴィタ・サックヴィル=ウェストにランド・アーミーの物語をすべて詩で綴る本の執筆が依頼されました。マックスマーラの今回のムードボードでは、ヴィタ・サックヴィル=ウェストのダークなエッジが効いた冷ややかでエキセントリックなタッチがスパイスとなっています。イギリスのシシングハーストにある彼女の庭園のイメージは、洗練されたブラック・オン・ベージュに咲き誇るブラウンの花をあしらった、シックなプリントの着想源となりました。
ダンガリー姿のデメトル(ギリシャ神話の豊穣の女神):昨今目にする写真やドキュメンタリー映画に登場するランド・ガールズは、牧歌的な風景の中にたたずみ、頬をバラ色に染めた女神のようです。彼女たちが身につけていたジョッパーズやサイレンスーツ(オールインワン)などのクラシックなワークウェアは、マックスマーラのユーティリティ グラマー(Utility Glamour)のインスピレーション源となり、スコップを入れるのに十分な大きさのポケットやポーチ、丈夫な補強ステッチ、頑丈なサスペンダーなど特徴的なパーツがあしらわれています。それは真夏のコテージの庭に咲き乱れるスイートピーの花のように、チャーミングな色彩の個性豊かなドリル素材で表現されています。もちろん、サンドカラーなどの中間色もあり、パーフェクトなデザインのトレンチコート、ゆったりとしたミリタリースタイルのジャケットやロンパースにも控えめな高級感が漂います。庭師のエプロンから着想を得たバックレス サンドレス、ギャバジンのストラップがあしらわれた3重シフォンのガウンは、強さと上品な雰囲気を併せ持つ、デイタイムからイブニングまで使えるアイテムです。
テーマは牧歌的かもしれませんが、このコレクションは、シティ・ガールや現代の園芸マニアの女性に捧げられます。都会のあちこちで30センチ四方ほどの空間が、突然庭になることにお気付きですか? 現代の女性のバッグには、壁に囲まれた庭に咲く花ではなく、ノートPCやランチボックスが入っているでしょう。そしてハイヒールのストラップサンダルは、大地の上ではなく、舗道をさっそうと歩くためのもの。とはいえ、現代の女性は、マックスマーラのランド・ガール ルックをまとって外に踏み出すことで、自分自身が新しい波を起こしていくのです。
ヘア:オディール・ジルベール&WELLA
メイクアップ:ダイアン・ケンダル&Sunday Riley
音楽:ジョニー・ディネル
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提供 : 株式会社マックスマーラ ジャパン